フランチャイズを開業したのに大失敗!?フランチャイズで失敗する原因

フランチャイズは、フランチャイズ本部から商品やノウハウを提供され、すぐにビジネスをはじめることができる便利な方法です。しかし、完成されたビジネススキームや知名度のある商品があったとしても、事業主によってはビジネスとして成立しない場合があります。
フランチャイズを活用することで成功するには、独立することによってどうなりたいのか、理想のゴールをイメージする必要があります。年収、自由な時間、仕事へのやりがいなど、明確なプライオリティーのある理想のライフスタイルです。何を求めて独立するかを明確にし、リスクを考慮してフランチャイズをはじめなければ、後悔する可能性もあります。
今回はフランチャイズを利用して開業する際に注意したい典型的な失敗原因や、独立して理想のライフスタイルを実現するポイントをご紹介します。

フランチャイズで失敗しやすい業種

フランチャイズビジネスは未経験者でも起業しやすい大きなメリットがあり、独立して自分で事業を起こしたい人にとっては魅力的なビジネス形態です。また、開業して3年後に事業が継続している割合は約70%といわれており、高い成功率といえるでしょう。 しかし、フランチャイズを利用すれば誰でも簡単に成功できるというわけではありません。なぜなら、約30%の事業者は、開業して3年後には事業を畳んでいるからです。

ひと口に「フランチャイズ」といってもさまざまな業種があります。加盟店として参入する際には、どの業種を選択するかが重要です。一般的に家賃、人件費、水道光熱費など、固定費が高く、粗利が低い事業は失敗する確率が高いといわれています。固定費は事業の売り上げに関係なく計上されるコストのため、できるだけ抑えるのが基本です。フランチャイズを選択する際には、固定費があまりかからない事業を選ぶことがポイントです。

では、フランチャイズで失敗しやすい業種とはどんなものでしょうか。

スマートフォン修理

まず挙げられるのは、スマートフォンの修理を専門的に扱うフランチャイズです。割れたディスプレイや電源ケーブルの接触不良の修理など、スマートフォンのメンテナンスを行います。スマートフォンの普及率を考えると、高い需要が見込めると思うかもしれません。現に加盟店が急増した時期もありました。

しかし、スマートフォン修理業は失敗しやすいフランチャイズのひとつといわれています。初期投資が少ないことが魅力で人気が高まりましたが、修理スキルを持つスタッフの確保や需要と供給のバランスが難しいことが失敗する原因です。例えば、スマートフォンの画面が割れたら修理に出す人が多そうです。しかし、実際は新しい機種に変更する人が多く、予測していたほどの需要がないケースがあります。

介護サービス

さらに、失敗しやすいフランチャイズの業種に介護サービス業があります。こちらも高齢化社会が進んでいる日本では、需要があると考えて参入し、失敗するケースです。介護業界は人員不足がもっとも深刻な問題です。ただ人を集めればよいのではなく、一定の介護スキルや知識が求められます。結果的に、人材確保が難しく事業として失敗しやすいというのが現状です。

タピオカ屋

周期的にブームが起こる、スイーツ系フランチャイズも失敗しやすいといわれています。たとえば、タピオカ屋なら比較的小規模の物件でも出店することができ、利益率が高いのが魅力です。しかし、一番の問題はブームに波があることです。ブームが来ているときには多くの利益を上げることができますが、継続的に安定してビジネスをするのは難しいでしょう。複数年のフランチャイズ契約を結んでいれば、ブームが去ったからといってすぐに撤退できません。季節に左右される商品なので、夏場は売れるが冬は売れない不安定さの問題もあります。

フランチャイズ経営の失敗事例から学ぶ

フランチャイズビジネスで失敗する主な原因をご紹介します。 フランチャイズで失敗する原因の特徴を知ることで、事前に対策を立てることができます。

資金不足に陥り、運転資金が続かなくなる

フランチャイズビジネスで失敗する原因のひとつは、資金不足で運転資金が続かなくなることです。事業をはじめるために必要な資金は、初期投資となる開業資金、運転資金、生活費に大きく分けられます。これらの必要な資金をビジネスが軌道に乗るまで、自己資金と融資で賄わなければなりません。開業してすぐに安定した収入を得られるわけではないため、ある程度まとまった自己資金が必要です。融資を受ける際も自己資金が多い方が有利です。フランチャイズで起業する場合、自己資金の平均は300〜500万円といわれています。その他、運転資金や生活費が必要になることから、蓄えが必要です。「開業して予想外の出費があった」「ランニングコストの見積もりが甘かった」「ロイヤリティーが予想以上に利益に影響する」など、実際に開業してみなければわからないことがたくさんあります。事業をはじめれば利益が出ると安易に考えるのではなく、十分な蓄えを準備して不測の事態に備えましょう。

自己流経営で本部のアドバイスを聞かない

フランチャイズのメリットは、あらかじめビジネススキームやノウハウが完成されていることです。それにもかかわらず、自己流の経営判断をしてしまい、失敗するケースがあります。フランチャイズの本部をビジネスパートナーと捉え、密にコミュニケーションをとりながらビジネスを進めていく必要があります。本部から提供されるマニュアルや決まりにはそれなりの理由と実績があり、ルールに従うのが基本です。契約に関わる事項に違反すると、最悪の場合、契約解除になることもあります。本部に頼りすぎて何も考えないのは論外ですが、自己流に走りすぎず、本部と最適な関係を築く努力が必要です。

依存心が強い、人のせいにする

本部への依存心が強く、ビジネスがうまくいかない理由を人のせいにしてしまうのも、フランチャイズ経営がうまくいかない原因のひとつです。フランチャイズの加盟店は、あくまでも独立した事業者です。ビジネスの成功や失敗は、すべて事業者の経営判断の責任です。フランチャイズの加盟店になり、本部の指示に従っていればうまくいくだろうという考え方では、壁にぶつかります。フランチャイズで成功するには、人のせいにしたりするのではなく、1人の事業者としての自覚が重要です。

他社と差別化された商品力がなく、競合他社の参入による価格競争に陥る

フランチャイズビジネスで生き残っていくためには、他社と差別化された商品力が必要です。フランチャイズを選ぶ時点で差別化されたものや専門性の高いものを選ばないと、長期的にビジネスを継続していくことができません。競合他社の参入や価格競争に巻き込まれた場合、小規模な事業主のフランチャイズ加盟店より、大手の大企業の方が明らかに有利だからです。

家族が反対している

フランチャイズビジネスで失敗する原因として意外なものに、家族が反対している場合があります。独立してビジネスをしていくには、家族の協力が不可欠です。家族が反対する理由としては、独立のリスクへの不安があります。初期投資をしてビジネスをはじめたとしても「うまくいかないかも」という不安が先行する家族もいます。サラリーマンの固定給と違い、事業主になれば収入は月ごとにばらつきがあるため、不安定さを理由に反対する家族もいます。これらの問題を解決するには、家族に向けて、事前に事業に対する説明をしっかりとし、リスクに対する不安を取り除く必要があります。事業をはじめてすぐに軌道に乗るとは限らないので、はじめのうちはある程度の辛抱が必要であることをも事前に伝えておくことが大切です。

フランチャイズの事例

最後に、中小企業庁に寄せられるフランチャイズに関する相談をご紹介します。内容はコンビニエンスストアのフランチャイズに関する相談で、脱サラして加盟店になることを検討しているケースです。開設資金は2,000万円、加盟金や保証金は300万円ほどかかるそうです。店舗型のフランチャイズなので、初期投資としてはかなりの額を用意する必要があります。コンビニのフランチャイズにおいては、商品開発からキャンペーンなど、大部分は本部主導で運営されます。その点、事業者として経営の仕方に頭を悩ませる必要はありません。収入面においては、最低保証を契約で取り決めている場合も珍しくないので、大きなメリットといえるでしょう。

ただし、24時間営業の場合が多く、拘束時間は長時間です。自由な時間を確保することができないことを考えれば、限りなくサラリーマンに近い働き方になるともいえます。人材確保がうまくできなければ、オーナー自身や家族だけでお店を運営することになり、大きな負担になります。

さらに、駅前のような立地だからといって成功するとは限りません。好立地な場所はマーケットが飽和状態であることが多く、本部のドミナント戦略の影響を受ける場合があります。ドミナント戦略とは、特定の地域に集中的に加盟店を増やすことで、チェーン店全体の売り上げを増やす方法です。本部の利益は増加しますが、その地域に出店している加盟店の売り上げは、顧客が分散されることで下がります。出店当初は1店舗しかなかったのに、のちに2店舗目、3店舗目と増やされた場合、対策を取ることはできません。

初期投資を抑える方法としては、店舗型とは対照的な顧客宅に出向いて仕事をするタイプの修理系フランチャイズがあります。トータルリペアなどの修理系フランチャイズは、頭金なしで独立開業できるのが大きなメリットです。コンビニのドミナント戦略とは逆に、事業者同士の商圏を確保していますので、オーナー同士で顧客を取り合うことを事前に防ぐことができます。技術や経営に関して本部のサポートがありますので、未経験者でも参入も可能です。

失敗しないフランチャイズ選択を

フランチャイズといえばコンビニ経営を思い出すかもしれませんが、初期資金の多さ、本部との契約内容、市場の飽和による契約トラブルも多く聞かれます。飲食店や掃除サービス、修理などフランチャイズといってもさまざまな業種があります。フランチャイズでの独立開業を考える場合は、事前に情報集めて吟味しましょう。

参考:

相談事例その10:フランチャイズ契約は十分に理解したうえで|中小企業庁