起業に失敗する要因と失敗率を下げる選択肢とは?

起業しても成功する人はわずかといわれています。起業に失敗してしまう要因には、どのようなものがあるのでしょうか? その具体例と、起業の失敗率を下げるフランチャイズ起業について紹介します。

開業率と廃業率にみる事業継続の難しさ

中小企業庁は、1948年に設置された経済産業省の外局です。中小企業庁は、毎年5月に中小企業の動向を詳しく調査・分析した「中小企業白書」を発表しています。
中小企業庁の2019年版「中小企業白書」の「第一部平成30年度(2018年度)の動向」、「第5章:開廃業の状況」から開業率と廃業率の関係をみてみましょう。この章では、厚生労働省の「雇用保険事業年俸」から開業率と廃業率について分析しています。「2017年度の業種別廃業率の分布状況」から、開業率は全業種平均5.6%、廃業率は全業種平均3.5%であることがわかります。これは開業する人に対して、約3分2の人が廃業している計算になります。
さらに、業種別にみると開業率がもっとも低いのが製造業、高いのが建設業でどちらも廃業率は低い傾向があります。開業率・廃業率がともに高い業種は、宿泊業と飲食サービス業です。
これらから、特に消費者向け事業(BtoC)で成功するのは、非常に難しいことがわかります。

参照データ:

年度版「中小企業白書」全文
第5章:開廃業の状況

起業の失敗例

起業の具体的な失敗例にはどのようなものがあるでしょうか?

資金ショート

資金調達が最大の課題となるのは、起業してから1~2年の間です。
銀行は、「雨の日に喜んで傘は貸してくれない」といわれます。回収できる見込みのない会社に喜んでお金を貸してくれる銀行はそうありません。事業がなかなか軌道に乗らず、追い込まれて銀行に融資を申し込んでも断られてしまえば、より苦しい状態に陥ります。
起業間もない1~2年の間の晴れの日に、銀行などから借入を行い、手元に運転資金を多く残してスタートすることで、余裕を持って必要な投資と売り上げアップの仕組みづくりに注力できます。
しかし、事業が軌道に乗っても安心はできません。利益が出ていても黒字倒産することもあります。黒字倒産は、利益が出て黒字の状態であるのに手元に資金がなく、借入金の返済などができずに倒産してしまうことです。
黒字倒産を防ぐには、流出するお金と流入するお金の流れであるキャッシュフローを正確に把握して、手元にある資金がなくならないように対策を立てる必要があります。

共同経営者や仲間とのトラブル

起業で何よりも大切なのは「資本金」と「仲間」です。
事業が軌道に乗るまでは、数少ないリソースのなかで失敗と隣り合わせの挑戦を重ねることになります。そんななかで致命的なのが、共同経営者や仲間とのトラブルです。
仲間割れや裏切りにより、担当から突然外れたり、資金の持ち逃げをされたりするなどの金銭トラブルに見舞われるのは大きなダメージです。そして、何よりも信頼していた仲間に裏切られるのは、資金的なショックよりも精神的なダメージが大きいです。ここでうまく気持ちを切り替えて対処策を考えられなければ、事業の存続は難しくなります。

ハードワークで体を壊す

たくさんの課題を一人で抱えて、その解決のために長時間労働をする経営者がいます。がむしゃらに働くことは、自身の許容範囲内では問題ないでしょうが、それを超えるハードワークは失敗の要因になる可能性があります。
疲れていると従業員に的確な指示を出すことや、物事を正確に判断できない場合があります。また、体調を壊して経営者自らが現場から離れ、経営者不在が長引くと、会社が機能しなくなり、人材流出や仕事の減少を招く恐れもあるでしょう。それらを取り戻すにはこれまで以上の労力が必要になります。複数人で起業する場合は、仕事を一人で抱え込まずに分散させる仕組みをつくることも大切です。

度重なる失敗で心が折れる

仕事をするうえで失敗はつきものです。日々の失敗から学んで、対処策を練っていても失敗はおこります。人為的な失敗以外にも、市場の変化や法律の改定などにより、事業が影響を受けることもあるかもしれません。そんななかで、諦めずにモチベーションを維持して前向きに対処できるかどうかで、結果は大きく変わってきます。
致命的な失敗をして窮地に立たされても、諦めない限り可能性はゼロにはなりません。

固定費を無駄にあげてしまう

固定費が無駄にかかりすぎると、キャッシュフローが適切にまわらなくなります。そのため、固定費を無駄にあげることは避けなくてはいけません。固定費が0に近いほど失敗する確率は下がりますが、人件費を下げ過ぎても人材流出を招くので、バランスが大切です。必要な固定費は、確保する必要がありますが、無駄な固定費は削るようにしたほうが無難です。

知識不足

飲食店で起業した際の、内装屋とのやりとりの事例です。Aさんは開店に向けて内装を決める際に、価格相場やリサーチをせずに、相手のいいなりになり相場よりも高い金額で契約し、大切な運転資金の多くを失ってしまいました。その結果、十分な運転資金が手元に残らない状態で開業し、経営が難しくなり廃業。
ビジネスで知識がないことはカモ同然です。業者のいいなりにならず、自分で考えて相見積もりを取るなどすることが大切です。この事例だけでなく、ビジネス全般では、自分でリサーチしたり考えたりするだけでなく、わからないことは専門家や詳しい人に聞くなどして、必要な知識を取得することが大切です。

起業の失敗率を下げるフランチャイズ

起業の失敗率を下げるためには、ほかの人達の具体的な失敗事例を参考にするほかにも、フランチャイズでの起業があります。フランチャイズは、フランチャイズに加盟する人や法人がフランチャイズ本部と契約を結び加盟店となることで、本部の看板や経営ノウハウ、商品やサービスを扱う権利を得られる仕組みです。その見返りに、加盟店は本部へロイヤリティを支払います。フランチャイズは、成功しやすいビジネスモデルを採用しているため、起業の失敗率を下げることができます。
さらに、次のようなメリットとデメリットがあります。

メリット

本部からノウハウ提供と経営指導が受けられ、研修制度の充実により未経験からでも参入が可能です。本部のブランド力や知名度を生かせ、商品開発や広告プロモーションなどは本部の仕事となるので、売上拡大に専念できるだけでなく集客面でも圧倒的に有利です。銀行から融資を受ける際も、条件がよく似た過去の加盟店の実績から信憑性の高い事業計画書を作成できるので融資を受けやすくなります。

デメリット

本部のブランドイメージが低下すれば、当然その影響を受けます。そして、経営方針や運営方法は本部に従う必要があります。ロイヤリティは、店舗の売り上げが乏しくてもその状況に関わらず支払わなくてはなりません。ノウハウ流出防止のため、競合避止義務をもうけているところが多く、契約期間途中で生じる違約金とともに注意が必要です。

まとめ

起業の失敗は、金銭的な負担を自ら背負うことを意味します。金銭的な負担だけならまだしも、大切な信用を失い、体を壊したり鬱などになってしまったりすると、社会復帰自体が難しくなります。起業の失敗率を下げるなら、フランチャイズ起業でのメリットとデメリットを踏まえたうえで、選択肢のひとつとして視野に入れるとよいでしょう。