起業スタイル比較!会社設立とフランチャイズどちらを選ぶ?

起業をすると心に決めたあとは、どのようなスタイルで進めるのかを具体的に検討していかなければなりません。いずれ事業を大きくしていくことを考えれば、会社設立という選択肢が浮かびます。しかし、法人化の手続きは個人事業よりも手間がかかり、ハードルが上がります。一方、フランチャイズであれば、比較的大きな規模の事業でもひとりで始めるよりはずっとスムーズにスタートできます。ここでは会社をつくって起業する場合とフランチャイズに参加する場合を、比較して見ていきます。

会社設立とフランチャイズの違い。個人事業と会社設立はどう違う?

個人事業主はその名称の通り、個人の事業主自身が事業責任者となる事業形態を指します。それに対して会社を設立するというのは、事業を法人化するということを指します。

個人事業主には開業届を税務署に提出することでなることができ、とくに費用はかかりません。一方、会社を設立するためには法人化の手続きが必要となり、それに伴う設立費用がかかります。

また、個人事業の場合には従業員5人未満なら社会保険への加入の義務はありませんが、会社の場合は1人でも従業員がいれば社会保険加入が義務付けられます。

また、個人事業では事業内容の変更をするときでも法的な届け出は不要です。一方で会社を設立した場合には、事業内容を常に明らかにしておく必要があるため、その都度変更の手続きが求められます。

フランチャイズは会社ではないの?

フランチャイズ本部は会社ですが、フランチャイズ加盟店オーナーは個人事業主に分類されます。そのため、フランチャイズ加盟店として開業する場合には、個人の開業届を税務署に提出するだけで済ませられます。

会社設立と比較すると、開業のハードルはかなり低いといえるでしょう。

フランチャイズは、フランチャイズ本部と加盟するオーナーとの間で結ばれる契約によって成立しています。お互いに対等の立場であり、ビジネスパートナーとして連携します。ただし、オーナーの裁量権が多いということはなく、本部の方針に従う必要はあります。
フランチャイズチェーン店ではあっても、会社組織の一部ではありません。直営店でない限りは、どこの組織にも所属しない一国一城の主です。
会社ではありませんが、独立した経営者であることには違いありません。

会社設立のメリットとデメリット

メリット

会社には個人事業よりも社会的信用度が高いことが挙げられます。新しい取引先を獲得する際や、金融機関から融資を受ける際には有利です。

営業をするときのことを考えても、個人事業主と会社では相手の受け止め方が変わってきます。公共事業の受注なども、個人事業主では受けられないケースがあり、会社の方が仕事の幅を広げられます。

また会社の場合には、個人事業主よりも経費に計上できる対象が広いなど、税的な優遇が大きく節税効果が高くなります。事業の拡大を視野にしているのであれば、会社設立をしていた方が断然有利に物事を進められるといえるでしょう。

デメリット

会社設立をする際には、非常に多くの手間がかかります。開業から運営にかかるすべての手続きを自分で行うとすれば、かなりの負担となるのは避けられません。行政書士などに手続きを依頼する場合には、手間は減らせますがその分、費用が必要になります。

また新しく会社を作った場合には、ブランドを一から築いていかなければならず、知名度の低さから事業に苦戦を強いられることもあります。

どのような業界で会社を作るにしても、経験や事業ノウハウがないと倒産のリスクが高くなり、存続するのが難しくなります。中小企業庁が公開している開業後の事業存続と倒産の動向のデータによると、会社設立から1年後に廃業している割合は全体の2割に及んでいます。これは個人事業主全体よりは低い割合ですが、会社設立のハードルの高さから考えると決して楽観できません。

会社を設立するにあたっては、法に基づいた登記書類や、会社の基本ルールをまとめた定款の作成が必要です。また個人事業主と違い、会社に対しては非常に厳密な会計処理が求められます。

会社としての体裁を整えるのであれば、それなりの開業資金が必要となりますが設立費用も併せ、思わぬ支出が膨らむ可能性もあります。

資金面や手続きの煩雑さなど開業するまでの苦労が多いうえ、会社を存続していくためには確実な利益・収支計算といった綿密な事業計画が必須となります。

フランチャイズのメリットとデメリット

メリット

フランチャイズに加盟する場合には、会社設立と比較して起業にかかる負担はかなり小さくなります。個人事業主としての開業届を提出するだけなので、手続き費用もかかりません。

フランチャイズの業種によっては資格が必要となる場合もありますが、基本的には参入のハードルが低いと言えます。
また、すでに知名度のあるブランドを利用できるため、事業運営を軌道に乗せやすいというメリットがあります。一般的にPRなどの販促は、フランチャイズ本部がまとめて取り仕切るため、加盟店側が頭を悩ませることはありません。商品やサービスの開発は本部が行うため、高品質の商材を商品開発のコストを払わずに、しかも開業後すぐに扱うことができます。

さらに事業ノウハウを提供してもらえるため、経験や知識がなくても開業が可能となるのは大きな魅力です。

運営に悩んだときには、本部のサポートを随時受けられます。

フランチャイズによっては、資金相談にも乗ってもらえるところもあり、個人事業主でありながら、資金面での不安が少ないこともメリットでしょう。

デメリット

フランチャイズ本部との契約にもよりますが、店舗にかかる経費や従業員の人件費などは基本的に加盟店側の負担となります。業態によっては、相当額の資金を準備しなければなりません。
また、フランチャイズ契約の特徴ですが、事業運営に必要なすべてが提供される対価として、加盟料やロイヤリティの負担があります。フランチャイズによっては、収益に占めるロイヤリティの割合が大きく、経営を圧迫する可能性もあります。
一般的にファミレスやコンビニのような店舗型は裁量権が小さいため、加盟店オーナーが自由に決められる部分はそれほどありません。せっかく起業しても、思うように事業運営ができず不満を感じる場合も考えられます。
会社を設立した場合は、誰からも何も制約を受けず、独立独歩で事業を展開できます。テリトリー権が存在する契約なら、他のエリアに勝手に出店できませんが、自分のエリアに同系列の他店が出店することもありません。一方、テリトリー権が存在しない場合には、自由に出店できますが、同系列他店が出店し潰し合うことになる場合もあります。

自店舗の業績が好調であっても、自由に事業展開ができないことはひとつのデメリットといえるでしょう。
また自分のところでコンプライアンスを遵守し、誠実な経営に注力をしていても、同じフランチャイズの他店で不祥事があるとその影響を被る恐れがあります。
まったく関連性のないオーナー同士でも、フランチャイズでつながっている以上、消費者からは厳しい視線を浴びてしまうことは免れません。

会社を興すためには資金力と知識が必須

フランチャイズへの参加も、業種や業態によっては多額の資金が必要となることもありますが、収支モデルがあるためおおよその予測をたてることができます。一方の会社設立では制限が少なく、好きなだけの事業展開が望める一方で、手本となるモデルもなく、その分リスクが大きくなる場合があります。会社設立には時間と手間がかかるため、思い立ってもすぐには事業をスタートできません。フランチャイズは起業にかかる時間を短縮でき、運営ノウハウが得られるので未経験者でも参入しやすいです。いずれのスタイルにも一長一短はありますが、会社をひとりで興すためには、それ相応の知識と資金力が必要であるといえるでしょう。